コロナ禍で生命保険に興味を持つ人は増えたが、実際の契約件数は減っています。

コロナ禍における生保の需要

コロナ時代の保険営業

 

2020年10月時点でのコロナ禍における生保の需要と業界事情をまとめると次の通りです。

  • 面談や訪問自粛で業界全体の動きが鈍化している
  • 生命保険(死亡保障)の需要は横ばい
  • 医療疾病保険と収入保障保険を検討する方が増加
  • 特に入院保障を重視する方が増加
  • 実際に保険加入や保障アップの行動に移す方は少なめ
  • 投資性の高い保険の需要が低下
  • ネット保険の需要が増加

 

この記事を作成した2020年10月現在、国内における感染状況はピークを脱して自粛ムードの緩和が目立っていますが、終息時期など不明なことが多い状況です。
保険加入に興味を持つ方は増えていますが、全体の契約件数自体は低下しています。

 

 

保険業界が打撃を受けた理由

新型コロナウイルスの感染拡大により、保険業界も大きな打撃を受けました。
その主な要因は次の通りです。

 

  • 訪問禁止、在宅勤務など営業活動の制限を受けた
  • 世界経済全体の衰退で不安要素が高まり、出費を増やすことに抵抗を感じる方が増加
  • 仕事や収入を失って既存契約を解約する人が増加
  • 経済不安から投資性の高い保険の新規申込が激減

 

少しずつコロナ禍以前の生活に戻ってきて、現在は訪問活動を再開する保険会社が増えています。
しかし、先行きが不透明な限り、生保の需要がV字回復しない可能性は高いです。

 

 

日本は死亡率が低い

世界で100万人以上の死者が出ているものの、日本は世界に比べて感染者の死亡率が低いです。
特に緊急事態宣言が明けてからは死亡率が著しく低下し、60歳未満の人が新型コロナウイルスに感染して死亡する件数が大幅に低下しました。
死亡率が低いことから、死亡保障がメインの生命保険は需要に大きな変化が見られません。

 

 

掛け捨ての医療保険が人気

コロナ禍の影響で注目を高めているのが医療保険です。
万一感染した場合は軽症でも入院を強いられるケースが多く、PCR検査で陰性が2回連続で出ないと退院できません。

 

死亡するリスクは低くても長期入院によって高額な医療費を取られるリスクを懸念し、入院や収入保障の手厚い医療保険が人気を高めています。

 

しかし、ワクチンの開発が急ピッチで進められている報道もあり、入院リスクが高い状況は一時的なものになる可能性が高いです。

 

こうした状況から、終身医療保険ではなく数ヶ月から数年先のリスクをカバーする掛け捨て型の医療保険を検討する方が増えています。
特に対面契約が不要でリーズナブルな保険料が特徴のネット型医療保険は人気が高いです。

 

 

保険営業職が増加

多くの保険営業マンが壊滅的な被害を受けたと答えている一方で、生保の主要8社は2020年7月時点で昨年より3,000人ほど保険営業職員を増加したニュースが報じられました。

 

売上の減少する既存職員の給料を保証して退職者を抑えたことに加え、今後の需要増加を期待して積極的な採用をする保険会社が増えているようです。
保険会社が失業者の受け皿になっているのは偽善事業としてではなく、将来的な生命保険の需要拡大を見込んでいるからでしょう。

 

 

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