必要な資格と難易度
生命保険の営業に必須の資格は生命保険募集人のみです。
このほか損害保険募集人の資格も必ず取得させる総合保険ショップが増えています。
保険募集人に関しては試験があるものの、一定の研修さえ受ければ高確率で合格できます。
その他の資格では、ファイナンシャルプランナーを持っておくと便利です。
昨今は「FPが対応」を売りにしている保険ショップが増えていますので、ファイナンシャルプランナーの資格を持っていると転職において有利です。
保険募集人とファイナンシャルプランナーさえあれば大半のケースで不自由しませんが、取り扱う保険によっては会社の方針で他の資格を取得させられることがあります。
保険営業に必要な資格と難易度をまとめました。
生命保険募集人
冒頭でも紹介していますが、生命保険の募集をするのに必須の資格で研修と試験を受けないといけません。
生命保険募集人は生命保険協会が認定している民間資格ですが、保険業法によって生命保険協会に登録したスタッフでないと販売できないルールになっています。
なお、生命保険募集人は保険会社や代理店に勤務していることが条件で、原則として保険会社に就職してから取得する流れです。
大手保険会社は自社の新入社員研修を通じて生命保険の研修を行っていて、研修さえ真面目に受講すれば簡単に合格できる難易度です。
主な教育課程
生命保険募集人の正式名称は、生命保険協会が提供する業界共通研修課程における「一般課程」です。
もっとも難易度が低く、生命保険の募集をするだけであれば、一般課程に合格するだけで問題ありません。(変額保険を除く)
生命保険協会では、業界共通研修課程として一般課程の他に以下の資格・教育課程を用意しています。
専門課程
一般課程の一歩上を行くステップアップ資格。合格すればライフ・コンサルタント(LC)の称号を得られます。
応用課程
専門課程の知識をベースに知識の応用を中心にした難しい問題が出題される試験です。
合格すればシニア・ライフ・コンサルタント(SLC)の称号を得られます。
生命保険大学課程
一般課程から続く試験の中で最上位の位置付けで、合格すればトータル・ライフ・コンサルタント(TLC)の称号を得られます。
6科目の試験が行われる難易度が高い資格で実際に取得する人は少ないですが、合格すれば生命保険協会認定FPとしてファイナンシャルプランナーを名乗ることが可能です。
実際の所は通常のファイナンシャルプランナーを持っていない方が受験するケースは滅多にありません。
変額保険販売資格
名称の通り変額保険を販売するために必須の資格。2日の研修を真面目に受ければ合格できる難易度です。
変額保険を扱っている保険会社でのみ必要で、基本的に就職してからの取得で問題ありません。
損害保険募集人
名称の通り、保険募集人の損保バージョンで、損害保険協会の研修・試験を受ける必要があります。
生命保険だけを販売する場合は不要で、主に多くの保険商品を扱う保険ショップで勤務する場合に入社後の研修で取らされる資格です。
ファイナンシャルプランナー
保険営業でキャリアアップを目指すのであればファイナンシャルプランナーを取得するのがマストです。
FPは日本FP協会が認定するCFP・AFPと、きんざい(金融財政事情研究会)による1・2・3級の計5種類があります。
CFPはきんざいの1級、AFPはきんざいの2級より若干難易度が高く、新人の多くはきんざいの3級か2級から受験します。
就職活動で有利なのは2級以上ですが、3級を取得すればファイナンシャルプランナーを名乗れるため、持っておくと便利です。
難易度は3級と2級が簿記の3級・2級と同じくらい。3級は相応の時間を勉強すれば誰でも簡単に合格できます。
2級も時間をかけて勉強すれば取得できますが、働きながら受験する人の中には何度も落ち続ける人がいるので注意しましょう。
不動産業で必要な宅建に比べると難易度が低いですよ。CFP・AFP・1級はFPの道を極めようとする人だけが目指す難関資格になります。
MDRT会員
資格ではなく団体の会員ですが、MDRT会員は世界最大の生命保険・金融のプロ集団で、保険営業マンの多くが憧れる存在です。
入会基準は該当期間1年のうちに、毎年定められるベースの実績を残してること。詳細は毎年変わりますが、おおよその目安は以下の通りです。
- 手数料ベース:1,200万円以上
- 保険料ベース:3,600万円以上
- 収入ベース:1,700万円以上
一般の人には馴染みが低いですが、高額な資産運用をする富裕層はMDRT会員の有無を重視する傾向があります。
投資診断士
顧客が投資をするべきか診断する資格で、外貨建て保険や変額保険を扱う場合に持っておくと有利です。
難易度はファイナンシャルプランナー3級程度。
その他の資格
この他の保険営業に関連した資格は以下の種類があります。
- 年金アドバイザー
- 証券外務員
- 銀行業務検定
- 証券アナリスト
- 日商簿記
いずれも無いよりあった方がいいですが、取得してもメリットは低いです。
保険営業は資格だけたくさん取得しても結果に結びつくとは限りません。
資格取得に向けた勉強時間の影響で本業の営業活動に支障が出ないように注意してください。